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「――――っていう事だ。」
ここは外観もお洒落で広い高級マンションの一室。
別れた後に、幼馴染みで同じ高校に入った親友の絢斗(けんと)にメッセージを送り、マンションに転がりこんで別れた理由を伝えた。
あ、因みに、絢斗はオレとバカレシと付き合っていた事は知っている。相談もしてた。別れろって煩かったけど。ナゼに?
絢斗も美形で(メガネ野郎だけど)
スタイルも良くて、勉強も運動もできてモテモテだ。
――― 男子校だけど。
告白されたのも見たことがある。
絢斗に抱かれたという話を聞いた事もある。
――― 男子校だけど。
今夜だけ泊めてと言ったら、絢斗は両親共に出張でいないからと快く承諾してくれた。
家も近所だし家族のような関係だと思う。
同じ歳で保育園から高校も一緒。
母親同士仲も良かった。
二人で留守番して勉強も遊びもいつも一緒に過ごしてた。
オレの家は片親で、母親と2人暮らしだ。父親は病気で亡くなり母親は内科医。今日は当直で家に居ない。
失恋で傷心なオレは、1人でいたくなかったから、取り敢えず寝床確保ができて良かった。
「メシまだ?作ったから一緒にどう?」
「やった!食う!」
「…傷心の割には元気だな。」
「うるさい。いいじゃん。慰めてよ。俺 浮気されて別れて傷心なんだからさぁ。あ、ビール買ってきた。ほらほら、ツマミもあるぞ~」
そう言ってコンビニ袋からビールを出した。 絢斗は小さく笑って
オレが座っているソファの前のテーブルに俺の分の皿と箸を寄越した。
照り焼きチキンが旨かった。
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