◆大学二年の冬

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◆大学二年の冬

同性を好きになったのは初めての俺に、船橋は色々教えてくれた。中学生の頃には自分が同性愛者と気づいていた船橋は、俺がキス以上、つまり体に触れ合うことができるだろうかと悩んでいたようだったが、俺の『反応』を見て大丈夫ですねとベッドの上で苦笑したのは付き合い始めて三か月が経過した頃だった。 今日は、その辺りの話をしよう。  *** 人間は欲深いもので、隣で星を数えて一緒にいれたらそれでいい、なんて清らかなままでいられるはずもなく。キスをするたびに、ピュアなキスでは物足りなくなっていったし情熱的なキスばかり繰り返していた。 唇を離した時に見せる船橋の蕩そうな顔を、何度夜のおかずにしたことか。 船橋と肌を重ねたい。でも男同士でどうやって?そんなことを悶々と考えているうちにもう我慢できなくなったんだ。 その日は県外まで二人でドライブに行って、一日楽しんだ。そして、船橋の家まであと数十メートルのとき。そのまま直進すれば家なのに、途中で左折した。 船橋は俺が道を間違えたのだと思ったらしく『曲がらなくていいのに』と言ってきた。 「…もう少し、一緒に居たいんだけどダメかな」 多分俺の顔は赤くなっていたのかもしれない。船橋は俺が何を言わんとしてるか、少しして気がついたようでそれ以上何も言わなかった。ただ一言、途中でコンビニに寄って欲しいと言われた。 何を買うんだろうかと思い聞いてみたら… 「…え?いるの?」 「女の子じゃなくてもいるみたいです。ナシだとお腹壊すって」 俺は男同士のセックスがどんなものか全く分かってなかった。まあ、挿れる場所くらいは知っていたけど。船橋は経験はないようだが、知識はあるようで(そこはあまり触れないでやろう)俺は船橋に素直に従った。 二人で俺の部屋に帰ったころには雨が降り始めていた。部屋で意識しすぎてそういう雰囲気にならない。仕方ないので少しばかりアルコールの力を借りることにした。船橋はこの前成人したし、たまに飲むのもいいかな。もらった安ワインだったけど、効果はてきめんだった。 しばらくすると顔を赤くした船橋が、俺に体を預けるような形たで甘えてきた。そしてキスを強請ってきたから唇を重ねて、舌を絡めていく。
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