◆大学二年の冬

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「…お前ホントに初めて?」 「うわ、嫌われる言葉ですよ、それ」 「ごめん、あまりにも気持ちよくて」 それからも船橋は初めてとは思えないほどに、俺を気持ちよくしてくれた。緊張している体を全身全霊で愛してくれて。そして、いよいよ孔への愛撫が始まった時は、恥ずかしさのあまり船橋の顔が見れなかった。俺は四つん這いになり、俺の後ろを指でゆっくり、壊れ物を扱うかのように船橋が優しく解していく。 異物感しかなかった指にだんだんと慣れてきた頃、気がつくと自分で腰を揺らしていた。まるで早く、と誘うように。 「ん…、あっ…あ…」 拡げていくその音が耳に伝わってきて、尚更淫らな気持ちになっていく。ふいにその音が止まり、指を抜かれた感触にゾクリとした。 「君津先輩…、挿れていい?もう限界」 チュッと背中にキスをする船橋。俺がゆっくり頷くと船橋の硬くなったそれが孔にあてがわれ、入り口を何度か擦り付けた後に、いよいよそれが入ってきた。 「ぐ…っ、ん…はっ…」 指と比べ物にならないほどの重量感に喉から思わず声が漏れる。船橋はゆっくり進めているがなかなかはいらない。 「力、抜いて」 抜けと言われても…と思って肩越しに見えた船橋の顔に驚いた。今までに見たことがないような、余裕のない、そして雄の顔だ。ゾクゾクッとするとうぁ、っと船橋が唸る。 「なんで締め付ける…の、出ちゃう」 その言葉がおかしくて俺は少し吹き出した。その時力が抜けたのを船橋が気がついたのか、強く腰を前に突き、俺の中の船橋がググっと奥にすすんだ。 「ああっ…!」 「全部、入った…動きますね」 腰を動かされるたびに、自分とは思えないような声が出てしまう。でももう声を出さないようにする術がなくて俺はずっと船橋に喘がされていた。 「んんっ…!あ、あっ、あっ…」 「大丈夫…?せんぱい」 「うん…、気持ち、いい…っ」 シーツを掴んで俺がそう言うと、中の船橋のそれが少し大きくなったのが分かった。中にいても分かるものなんだなあと、ぼんやりと感じた。すると船橋はさらに動きを早める。繋がっているところがいやらしい音を立ててそれもまた耳からの刺激となり、俺はもう我慢できずにいた。 「あ、んんっ!あ、あ…!イクッ…」 「イッて、先輩、僕も…っ」 そう言うと船橋は俺の腰をグッと強く持ち、勢いよく奥へと押し込んだ。そしてその瞬間、頭がスパークして俺はベッドに思い切り白濁したそれをぶちまけた。そして船橋もまた、俺の中で絶頂を迎え、果てた。
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