万魔伝~序章~【関根 祥子(せきね しょうこ)】

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そう言えば左胸を刺された筈なのに、痛みが引いている。見ると、出血していた血は凝固し傷が閉じている事が分かる。 何なのこれ?……さっき襲われたのは夢なんかじゃない……疑問を抱きながらも、襲われた場所から離れるべく、息の切れる呼吸を整えて、私は自分のアパートへと帰った。 静まり返っている部屋。私はこの1Kで独り暮らしをしている。怖い……とりあえず、私は電気のスイッチを押して部屋を明るくした。この狭い部屋には誰も居ない。 少し安心した私は玄関に座り込んで瞼を閉じ深呼吸をする。
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