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やや不幸戦隊アンラッキーセヴン
一見平和なこの町に、2週間に一度くらい魔の手が迫る。
遠くから聞こえる子供の悲鳴に、今日も町を守るヒーローが出動する。週休6.5日制で。
「げへへへー。お前がさっき拾ってたペットボトルのフタをよこせー」
「助けて、やや不幸戦隊アンラッキーセブン!」
「とーう!」
「む、何奴!」
「あ、助けに来てくれたんだね。ありがとう!」
「俺達はこの町を守るヒーロー! その名もやや不幸戦隊アンラッキーセヴンだ!」
「アンラッキーセブンだと!?」
「ノンノン! アンラッキーセヴンだ!」
「かっこいい!」
「で、アンラッキーセヴンが何の用だ? 俺はこのクソガキからペットボトルのフタを奪い取って慈善団体に寄付しなきゃならねえんだ! 邪魔すんな!」
「おいお前!」
「なんだ?」
「人の話は最後まで聞け! 毎日練習してる自己紹介ができないだろ?」
「あー、分かった分かった。ペットボトルのフタをくれたら聞いてやるよ」
「了解だ! 後で拾って届けるぜ! 俺はアンラッキーレッド! 眼鏡に納豆の糸が良く絡まる!」
「俺はアンラッキーブルー。ベルトのバックルが壊れやすい」
「私はアンラッキーピンク。お化粧のノリが悪い! 今日は特に!」
「以上だ!」
「かっこいい! 」
「待て待て待て!」
「どうした? 命乞いか? 悪のモブ」
「ちげーよ。セヴンなのに3人なのか? 他の4人はどうした?」
「ふ。そこに気付くとはなかなかやるな」
「頑張れアンラッキーセヴン!」
「いや、普通分かるから。それで?」
「イエロゥは食べ過ぎ、グリーンはタンスの角に小指をぶつけた」
「痛いな」
「パープルは出勤中に鳥にフンを掛けられた。ブラックは出がけに黒猫に横切られて帰宅した」
「運が悪かったな」
「スミレは深爪で来られない。マゼンタはPTAの会長に選ばれた。インディゴブルーはコンビニでお金を払うときに財布をひっくり返してポイントカードだけ床にぶちまけた」
「え、人数多くね?」
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