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最初の30分位は山道と言ってもきちんと舗装された道でスムーズに進んだ。雨もほぼ止みかけていた。
「これならかなり早く帰れそうだね。」
「そだねー!選んで正解だったね!」
ほとんど対向車もない道をひたすら走る。けれどそんな順調にはいかなかった。 頂上に近付くと白い霧に覆われ3メートル先を見るのがやっとなくらいになった。
「これはまずいな…。」
さすがの彼もハンドルを両手でしっかり握りしめ慎重にゆっくりと車を進めた。
私は不安ではあったが回り道を提案したのは自分だし運転を代わることも出来ないのでせめて運転の邪魔にならないようにただ黙ってる事しかできなかった。
時間だけが静かに過ぎていく。
「どうか無事に帰れますように。」
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