最強のお守り

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副店長の石井さんに呼ばれて振り返る。 「あとで店長の所に行ってください。ご褒美がありますよ」 「ご褒美?」 「今日で岬さん、ちょうど勤続5年なんですよ。ちょっとした表彰状と、クオカード3千円分もらえるらしいですよ」 「今日で、5年」 目を瞬く私に石井さんがにっこり微笑む。 「そう、丸5年です」 * 家に帰ると、珍しく繭がキッチンに立っていた。 「あれ? 夕飯、作ってくれてるの?」 「うん。たまご焼きと……インスタントの味噌汁」 「ありがとう。今日は2ついい事があったわ」 「いい事?」 繭が不思議そうな顔をする。 「繭が夕飯作ってくれたのが1つ。もう1つは表彰されたこと。お母さん、今日でパートちょうど5年目なんだって。クオカードもらったから、繭にあげるね」 「いらないよ」 「え? どうして」 「お母さんが頑張ったんだから、お母さんが欲しい物買いなよ」
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