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でも、この年頃だ。なんとなく察した様子の娘に、申し訳なく思いながら私はから元気な声を出した。
「じきにお父さん、戻って来るからね」
繭が上目で一瞬こちらを見た。
「家の中、暗くしちゃってごめんね」
「……」
上がった視線が下がる。
「別にいいけど」
早くに結婚した。子供にも恵まれた。ごく、普通の家庭を築いたと思っていた。
私は今まで、一体何を見ていたんだろうか。
もうじき夏本番という事もあって、ドラッグストアでは熱さ対策の商品のポップがあちらこちらに貼られている。
「この首に巻くタオル、結構売れてますよね。外で働く人達に評判いいですよ」
レジの仮点検をし終えた日高さんが、店内のチラシを指さしながら言う。
「今年は特に暑いらしいもんね」
「結構お高い日焼け止めも、動きいいですしね」
「そういえば日高さんも色白で肌綺麗よね。UV対策しっかりしてるの?」
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