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目尻が下がっていて、優しく笑ってくれているんだけど、細くなった目の奥は押し入れの中みたいに真っ黒で、お母さんの目に私は映っていないんじゃないかなっていう感じが、ちょっとだけする。
きっと私が上手にできないからだ。
二年生までは火曜日に体操教室に通っていた。
私は、どうしても逆上がりができなかった。
鉄棒を逆手で持って、助走をつけて、踏み切った足を高く上げて、おへそを鉄棒に引き付けて・・・先生に言われたことは全部わかっているのに、何度やっても体がくるりんって回らなかった。地面に引っ張られるようにして、背中から力なく落ちていった。
周りの子たちは簡単そうに逆上がりを成功させていて、後方支持回転とか膝抱え前回りとかの技をくるくると回っていた。一人だけ取り残されたみたいで、寂しくなって胸がどきどきした。寒くないのにブルって震えた。
お母さんに逆上がりができないってばれたくなくて、学校の休み時間もずっと練習した。
でも何度やってもダメだった。
手の平の柔らかい皮がぺろんっと剥がれて、じわじわと熱くて痛かった。
次の火曜日。
お母さんの車に乗せられて、習い事へ向かう。
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