韓国籍と朝鮮籍

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 1945年(昭和20年)に日本の敗戦により終戦を迎え、朝鮮半島は連合国側に召し上げられた。  そして朝鮮半島が日本の統治から外れた事により、日本に祖父母達は日本国籍を失い「無国籍」となった。  (※「日本国籍を失った時点」を、外国人登録令が施行された1947年とすべきか、日本国が国家主権を回復したサンフランシスコ講和条約発効の1952年とすべきかは、申し訳ないが私には判別がつかない。ここでは1947年の方を採用する。)    外国人登録令の施行により、祖父母達「在日」は、「便宜上」国籍を「朝鮮」として登録された。  (「便宜上」というのは、当時の朝鮮半島はアメリカ軍とソ連軍に分割占領された状態であり、有効な国家というものが存在しなかった故である。)  翌年、1948年に大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国がそれぞれ樹立を宣言。  (韓国・朝鮮共に建国は1948年と位置付けられている。)    1950年より朝鮮戦争。  1952年、サンフランシスコ講和条約の発効により、韓国・朝鮮は日本から完全に分離。  歴史年表の様に並べていくと、おおよそこんなところだろうか。  このような経緯の中で、祖父母達は「朝鮮系日本人」から「外国人登録の朝鮮人」となり、それから韓国籍を選択し「在日韓国人」となった。  私も勿論そうであるが、祖父母の本籍地は慶尚南道(釜山の東隣)であり、出身地から鑑みても祖父母達が「韓国」を選択することは、自然の流れだったと思われる。  だがここで問題が生じた。  私の祖父母は「韓国」を選択したが、祖父の兄は「朝鮮」のままでいることを選択したのである。
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