あとがき その4「就業率」

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あとがき その4「就業率」

 モバゲーの質問広場に投稿していた時のこと。  「在日は6割以上の人間が働かず、生活保護でぬくぬくと生活している」などという書き込みがあり、「在日の生活保護費は年間3兆円、生活保護を受けているのは在日ばかり」というデマを加え、例の如くネトウヨはお祭り騒ぎをしていた。  流石に見過ごせず、私はこう書き込んだ。  「『働いている人間』とはどこまでを指すのか。 正社員と自営業は勿論含むだろうが、パートの主婦や学生のアルバイトは除外か。 『6割以上働いていない』と言うが、分母はなんだ。全体数ではないのか。 そもそも日本人は老若男女、年寄りから子供まで含めて何割が働いているというのか。」…と。  当然、ネトウヨ共は持論を曲げない。  働いていない在日46万人✕500万円=2兆3000億円…という「在特会」が撒き散らしている「数字」をそのまま持ってきて勝ち誇る。もう馬鹿という他にない。  とはいえ、「嫌韓」でありつつもネトウヨに同調せず、冷静に調べた数字を持ってきてくれる人も中にはいた。  「自分が見つけた数字だと日本人で働いている人の割合は5割程、数字を出す条件が同じか分からないので言い切れないが、『在日の方が働いていない人が多い』くらいしか言えない」…と、冷静に述べてくれる。  当時は私も知らなかったが、数字の出所は「民団のHPに載っていた(在日の)1999年時の就職状況」であった。  民団が出しているのだから言い逃れ出来まいと、ネトウヨ共は安易に勝ち誇っていたのだろう。  実際、民団の出した就職状況の分母は「全数」であり、赤ん坊から年寄りまで老若男女全てを含む。そして職業の内容に「学生」・「主婦」・「パート・アルバイト」とかが無く、それらも無職とカウントしているものであった。  私が5歳の頃、祖父はリタイアした状態であり、祖母は定職でも自営業でもなかった。母は専業主婦であり、民団の就職状況に当てはまるのは父のみ。私が1人っ子だったとしても5人に1人の割合。昭和の頃なら専業主婦など珍しくもなく、この様な家庭は普通に存在しているだろう。  まして父は小学生にして給食費を自ら働いて払い、学費も自ら払い、十代の頃から一家を支えるべく働いている人だった。  だからこそだろう。私はネトウヨ共の戯言が許せなかった。
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