あとがき その1「通名」

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 結局、何が言いたいかと言うと  私達在日韓国人(及び在日朝鮮人)は、「日本名(通称名)」を「本名」としての感覚で使っている…という事を言いたいのである。  名付ける経緯はそれぞれあれど、「親が自分につけた『名』」であり、家族を含め、周囲の人から「呼ばれる『名』」であり、自らが「名乗る『名』」であるのだ。  確かに「本名」ではない。「通称名」である。  されど、その「通称名」をペンネームや芸名の感覚で使う在日がどこにいようか。  日本でしか使えない名前だが、ペンネームなどという感覚で使ってなどいない。  「本名」の感覚で使っているのである。芸名ではない。  日本国籍に帰化した在日が、それまでの通称名を本名とするのは何故か。  それが「他ならぬ己の名」であるからに決まっているではないか。  通称名など履いて捨てていいペンネームでしかないのなら、帰化の際に自由につけ直すだろうよ。そんな在日が何人いると言うのか。何処に居ると言うのか。  水原希子とて、アメリカ国籍を選んでなお、自らの芸名をそのままにしたのも、「親がつけた『名』」を、せめて芸名という形で残しておきたかっただけの事であろう。私はそう思う。
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