愚かな善人は悪人にも劣る

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 その時である。B男がA子に言った一言に、A子は一瞬固まった。 B男「ねえ、電気どうする?⁠(⁠⁄⁠ ⁠⁄⁠•⁠⁄⁠-⁠⁄⁠•⁠⁄⁠ ⁠⁄⁠)⁠ハァハァ」 A子「(⁠‘⁠◉⁠⌓⁠◉⁠’⁠)!?」  意味が分からなかった。明らかに自分は抵抗している。どう見ても拒絶している。(ましてや、付き合ってもいない)にも拘らず、B男は電気を消すかどうか聞いてきたのだ。それも真顔で。  コイツは自分のしている事がわかっていないのか。一瞬固まった後、A子は謂わば「我に返った」状態になった。そして一気に怒りが込み上げた。  A子自身、どうやったか覚えていないそうだが、とにかくA子はB男を再び跳ね除け押し出し、部屋の外へ追い出した。  危機が去り安堵しつつも、A子は恐怖と怒り混じりの興奮状態。もう眠れる環境ではなかった。「なんであんな◯鹿、部屋に入れちゃったんだろう」と自問しつつ、眠れないまま少々の時間が過ぎた。  そしてB男から電話がかかってきた。  今更何なのか、謝るつもりか…正直声など聞きたくもない。そう思いつつA子は携帯を手に取り、いつまでも鳴り続けるその電話に渋々出ることにした。 A子「………何でしょうか?(⁠ ⁠・ั⁠﹏⁠・ั⁠)」  電話に出たA子の耳に、更に仰天の台詞が聞こえる。 B男「お前がっ……俺との…関係を、おっ…終わらせたいんだったらっ……、俺はっ…それでもいいからっ…。⁠:゚⁠(⁠;⁠´⁠∩⁠`⁠;⁠)゚⁠:⁠。」 A子「(⁠‘⁠◉⁠⌓⁠◉⁠’⁠)!?????」  B男は泣きすすりながらそう言ってきたそうである。A子は全く持って意味が分からず、半ば呆然となってしまった。  関係も何も、付き合っていないのだ。自分からは勿論、B男からも「付き合ってくれ」などと言われてもいない。それに準ずるやり取りも無い。そんな雰囲気になってもいない。自分の記憶している限り、一度もそんなシチュエーションは無い筈だった。  A子は、その意味不明な状況をどう解釈すればよいのか分からず、私にこの話をしてきたのだった。
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