愚かな善人は悪人にも劣る

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 私はこう答えた。 「あの◯鹿(B男)は自分の脳内と現実の区別がつかんのだ。◯鹿の脳内では『自分とアンタ(A子)は付き合ってる』事になっていて、当日の事も『付き合ってる彼女と性行為しようとしただけ』とでも思ってるんだろう。きっとアンタを襲った自覚すらないだろうね。」 「あの◯鹿にとって『自分の脳内が全て事実』で、客観性ってやつが一切無いんだ。だからアンタがハッキリ拒絶してても嫌がってるって事が分からないし、◯鹿の脳内では『付き合ってる僕達は、今愛し合おうとしている』という『事実』でしかなくて、本人の中では勝手に『合意』になってただろうよ。だから『電気どうする?⁄⁠(⁠⁄⁠ ⁠⁄⁠•⁠⁄⁠-⁠⁄⁠•⁠⁄⁠ ⁠⁄⁠)⁠⁄』とか聞いてくるのよ。」 「実際あれは悪人ではないよ。でも性根じゃなくてアタマが悪すぎるんだよ。きっと自分が何をしたか、一生解らないんじゃないかねぇ。」 「とにかく、『思い込みが激しい』とかそんなレベルの人間じゃないから、『死んでも治らない◯鹿ってこういうヤツなんだ』と思って近づくな。」  A子は最初、「そこまで◯鹿な人間っているか?(⁠‘⁠◉⁠⌓⁠◉⁠’⁠)」…と言いたげな顔をしていたが、思い当たる節は多々あったようで、私の話に納得した。  ただ私自身も、「そこまでの◯鹿」を見たのはそれが初めてだった。 そして私に1つの持論が生まれた。 「愚かな善人は悪人にも劣る」
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