父の昔話③

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父の昔話③

 ある日、父がまた急に話を始める。  「お父さんが小学生の時にの、親(祖父母)が何故かワシの給食費を払ってなくてのう(⁠ò⁠_⁠ó⁠ˇ⁠)⁠」  父の話はいつも唐突である。  「それでのう…学校で担任に皆の前で『こいつは泥棒や』といわれての、皆の前でそんな事されて、お父さんは無茶苦茶悔しくて(担任に)腹が立ったんじゃ(⁠ò⁠_⁠ó⁠ˇ⁠)⁠」  「…? 何で払ってなかったん?(⁠˘⁠・⁠_⁠・⁠˘⁠)」  「それが分からんのよ。妹(叔母)の分は払っとるのに、ワシの分だけ払っとらんのじゃ(⁠ò⁠_⁠ó⁠ˇ⁠)⁠」  「……??(⁠ ⁠・⁠ω⁠・⁠)⁠」  私も聞いていて意味がよく分からなかった。父だけ嫌われていた訳でもない。(母の話では特に祖母は父に対して溺愛だったらしい)  おそらく金が足りなかったのだろう、という話だが「父の分のみ」というのが父自身にとっても何とも不可解だったそうだ。  だが、父の話の「本番」はその先だった。  「それでお父さんはのう…火薬運びの仕事をしたんや(⁠ò⁠_⁠ó⁠ˇ⁠)⁠」  「……???(⁠‘⁠◉⁠⌓⁠◉⁠’⁠)」  聞いていた私は、益々意味が分からなくなった。  父は「その時の仕事」についての話を続ける。  「お父さんは大人と一緒に穴の中で1列に並んで座ってのう、手渡しで火薬を穴の奥に運んでいったんや。その火薬が時々どっかで漏れての、それが電球に当たって『ボンッ』って割れる音がしよるんよ!⁠(⁠ ゚⁠∀⁠ ゚⁠ ⁠)⁠⁠」  「えっ!爆発するん?(⁠‘⁠◉⁠⌓⁠◉⁠’⁠)」  「そうやのう、爆発やのう!『ボンッ』ってのう!⁠(⁠ ゚⁠∀⁠ ゚⁠ ⁠)⁠」  …と、面白そうに語る。
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