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母への質問
母に自分が韓国人だと言われた日から程なくして、母に色々訊くようになった。
当時母は専業主婦であり、私が保育園から帰って来たときは大抵、台所に立っていた。
「ねぇねぇ、おじいちゃん達ってどこから来たん?(・∀・)」
「どうやって来たん?(・∀・)」
こう質問する私のこの時の感覚は、「どこから産まれてきたの?」と訊いている時のそれに近かったと思う。
(ちなみにそう訊かれた時の母は、幼児がイメージし易いような秀逸な答えを返した。)
祖父母達が何処からどう来たのか、そう訊く私に母が一瞬困惑する顔を見せたのを覚えている。(記憶違いかもしれないが)
幼い子にどう伝えたものか、どこまで伝えたものか、やっぱりまだ早すぎたと思ったか…或いは何か嫌な事でも思い出したのか。その瞬間の胸の内は、本人にしか分かるまい。
そしてあまり間を置かずにこう答えた。
「おじいちゃん達はね、日本に働きに来たんよ」
「昔ね、韓国から日本に渡って来たんよ」
保育園児の頃の私は、親や保育園の先生の答えに対して、いちいち疑問を持たなかった。答えをもらった時点で満足していたように思う。
そしてそんな事は忘れたかのように、テレビにかじり付いてお気に入りの特撮に見入るのである。まぁ、子供だといえば子供か。
とはいえ、今こうして書いているように、その後もしっかり覚えている訳で。
ちなみに
より具体的な事は、後に小学生になってから祖母に聞いたが、その話は次頁にて。
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