龍が通るは光の道

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 力の限り叫ぶ。彼は耳が良いので絶対に聞こえるはずだ。案の定凄まじい速度でこちらに飛んできてくれた。 「びっくりした、なんだよ!?」 「頼みたいことがある、地上に降りて人々が大量に死んでいないか確認してきてくれないか」 「え?」 「シバリがとんでもない数集まってる。これだけの数が集まるなら下界の人々が犠牲になったはずだ! ……そうか、だから日照が続いてるんだ」  特別な力を持ち寿命が長い自分たちは何とも思っていなかったが、これだけの長い期間日照が続けば作物が育たず水が枯れていく。人は徐々に体が弱っているはずだ。 「シバリが餌を求めやすくするために日照が続いているのだとしたら」 「おいおい、本当に神様が降りてくるためにこんなことしてるとか言うなよ!?」 「こんなクソ面倒な手段取るのが神なわけないだろ」  その言葉と同時にラオは急いで地上に向かって飛び、チョウカはシバリに向けて指を差した。 「消えろ」  その言葉と同時に指先から炎が飛び出る。しかしシバリたちはスイッとかわしてしまった。チッと舌打ちをしたが、ふと思いつき近くにある尖った山に飛び跳ねて移動した。その山の深い部分に溶岩がある。息を吸って右手で拳を作ると、渾身の力を込めて山の頂点を殴りつけた。  窪みができるほど大きく抉れ、中の溶岩が刺激されて地鳴りと共に溶岩が吹き出した。先程の炎と今の地鳴りに気がついた他の者たちが怒鳴りつけてきている。山に登ろうとするも溶岩が吹き出していたので皆溶岩をなんとかしようと慌てているようだ。戻ってきたラオも「なんじゃこりゃ!?」と叫ぶ。 「お前何やってんだ! つーか熱くないのかよ!」  チョウカは相変わらず噴火しているすぐそばに立っている。 「よし、こっちに来た」  シバリたちは太陽の下ではなく溶岩の方に集まり、次々と突っ込んで死んでいく。それを確認してから隣の山に飛び移った。集まってきた者達は噴火をどうにかしようとしているようだが、さすがにこれだけの事態ではどうにもできない。 「八家全員慌ててるの面白いな」 「三家の長どもの頭が怒りで噴火しなきゃいいな。で? なにこれ」
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