縁(えにし)

　リホは数ヶ月後、遺体となって発見された。
　異臭を感じたアパートの住民が、警察へ通報したことにより遺体(彼女)が発見され、再婚相手は死後数日も放置していたことが悪質とみなされて、死体遺棄罪(したいいきざい)を問われて逮捕された。

　身体が弱いと聞いてはいたが、まさか死ぬとは思わなかった。怖くて逃げたけど、逮捕されるなんて理不尽だと、再婚相手は弁護士に話したらしい。

　そこで縁が切れていたらよかったのに。

　和美は悔し気に奥歯を噛む。

　よりにもよってリホは、緊急連絡先として明人の携帯電話の番号を登録していたのだ。
　彼はなし崩し的にリホの死を報らされ、葬式を簡素に済ませて、遺骨を彼女の遠い親戚に渡した。

「会いたい、会いたいよ。リホ……」

　そして、心が壊れてしまった。