五千円札は戻ってくる

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 再び一万円札を券売機に入れる機会が来た。  今回もチャージ金額は五千円。  チャージすると五千円札がお釣りとして出てきた。  五千円札のしわは以前のものよりも深く、端の方を見ると小さなひびが入っている。以前のものよりみすぼらしい印象を受ける。 「こりゃまたぼろいのが出てきたな」  どう扱うとここまでぼろぼろになるのだろうか。  流通を繰り返すとこうなるのだろうか。  雑な扱い方をしたからだろうか。  それとも券売機での出し入れを繰り返したからだろうか。  ここまでぼろくなったお札、さっさとチャージして手放したい、と一瞬思った。  だが、ぼろくなっているからといって、乱暴に扱わない限り、びりびりと破れたりはしない。  財布に入れようとしたその時……  ふと五千円札のことが気になった。  もしかすると……  あらためて五千円札を見てみる。  記番号は「YU311031E」。
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