キャベツ畑

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 今日は祖母が病院から検査を終わらせて帰ってくる日だ。俊哉はリビングで今か今かと待った。六時に祖母と祖父が帰ってきた。 「癌、初期だから手術したら死ぬ確率は低いって」  俊哉は跳ねて喜んだ。祖父が言う。 「帰りに話したんだが有機栽培でキャベツを育てるのも続けようと思う」 「ほんと? おじいちゃん、僕嬉しい」  祖父は目尻に涙を溜めていた。  次の日は快晴だった。俊哉は学校が終わるとキャベツ畑に行った。モンシロチョウが俊哉の肩にとまった。 ━━━また会えたね。殺さないでくれてありがとう。  実際に喋ったわけではないがモンシロチョウがそう言ったように感じた。         終わり
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