拾ったものは誰のもの

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 カウントダウンがゼロになった頃、タマゴはどこかでボンと大きな音をさせた。 ーー爆発?  何が起きたかわからない俺たちは、ただ茫然とその方向を見ていた。 「何だろ。やっぱ爆発?」  矢部が心配そうに言った。 「わかんね。あれ、金色にならなかったな」 「うん。でもタクの先輩は金の卵だって言ってたんでしょ?」 「あぁ。立ち聞きしたときそう言ってた。何だか先輩の情報、全然アテにならないじゃん」 「そうならなかったのは単純に不作か、それとも種類が違ったとか。その植物は日当たりのいいとこに置くやつじゃなかった?」 「あーー、マジかぁ。ダイヤモンドはぁ? ザクザクのダイヤって何だったんだよぉ」 「はぁーあ。すっごい楽しみにしてたのにな。タクがドヤ顔で言うからマジ信じちゃったよ」  矢部が珍しく怒ってゲームを片付け始めた。 「だったら先パーイ、十万って何なんだよ。あんなのにカネかけるなんてさぁ、先輩も誰かに騙されたんじゃね?」  こうして俺たち二人の夢は夢に散った。 「でもさぁ、何でネットで削除されたんだ?」 「あーそれ? 何だかね、宝山さんってアイドルの寝泊まり記事が誤報だったらしくて、削除されたっぽい。こっちとは何の関係もなかった」  
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