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休日
「なぁタク。昨日の電話の件ってこのこと?」
「あぁ。先輩が言ってたのがそうだとしたら、ついた実がタマゴみたいに固くなって、そのうち金色に発光する。そしてその発光の正体が……」
「ダイヤモンド?」
「そう。殻を割ると中にダイヤがザックザク。だから宝の山なんじゃないの?」
「でもさぁ。そんな大事なの忘れてったなら、先輩、今頃探してるよ。返してあげたら?」
「ムーリ。今更返せっかよ。そんなことしたら逆に盗んだふうに思われて大騒ぎだよ。下手したら俺クビだよ? クビクビ」
矢部はド真面目だからそういうとこがわかってない。返したところで喜ばれるどころか疑われて俺の立場が悪くなるに決まってんじゃん。それに取ったわけでもなく、宝の山が向こうからやってきたんだ。有り難く頂戴して何が悪い。
「実は昨日タクから連絡もらってからさ、ネットで調べたんだよ。宝の山ってどんなやつか。そしたらどれも〝削除されました〟ってなって全く閲覧出来ないの。何か圧力かかってんのかな。変だよね」
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