休日

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「怪しいね。先輩が言ってたとおりこれがもしダイヤザクザクだとしたら、こんな金儲け不労所得みたいなもんじゃん? みんなが育て始めたらそれこそ大変なことになるよ。だから国が情報をストップしたんじゃないかね」  水やりをしたおかげか、昼にはシナってた葉っぱがピンと起きた。この植物の成長が早いのか遅いのか知らないけど、俺たちはこの宝の山の成長を願い、パンパンと二拍手して手を合わせた。  矢部は今ハマっている恐竜のゲームソフトを持ってきて、一緒にやろうと持ちかけた。アイツはトリケラトプス、俺にはブラキオサウルスをあてがい、育てながら強くしていくマイナーなゲームを夜まで飽きずにやった。こんなのが大昔に生きていたなんて、生まれたのが今の時代で良かったと改めて思う。  そして俺たちはゲームの最中、宝の山のことなどすっかり忘れていた。最も何の変化もなかったから良かったんだけど、宝の山のことは二人の間ではトップシークレット扱い。この実に変化が見られたら俺はすぐに矢部に連絡し、二人で奇跡の目撃者になろうと約束した。
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