拾ったものは誰のもの

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拾ったものは誰のもの

 一週間もすると先輩もさすがに諦めたようで、日が経つにつれ草花を探さなくなった。彼女とはその後どうなのか、怖くて誰も聞けない。そしてその草花『宝の山』は俺が持っている。  拾ったものは拾った人のもの。ということで諦めてください、先輩。ダイヤでカネが入ったらここのバイトは辞めるつもりなので、もう会うこともないしこれは餞別として有り難く頂戴しますよ。ぷぷぷ。  そして更に三日が過ぎ、いよいよ実の成長も止まり固くなってきたことを矢部に伝えると、矢部は連休を利用して歴史的瞬間を見ようと、俺んちに泊まることになった。矢部は飲み物とお菓子をぶら下げ、昼前にやってきた。 「うわぁ。このタマゴ、もうこんなんなったんだね。どっから見てもタマゴそのもの。へぇ、こんな不思議な絵面、見たことないな。ちょっと写真撮っていい?」  矢部はその実をタマゴと呼んだ。俺たちはタマゴの色の変化を注視しながら、新作のゲームに時間を費やす。  そして矢部がトイレと言って立ち上がったとき、葉が振動で揺れてることに気がついた。      
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