第11章

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その夜、ロウさんは何だか疲れて帰って来た。 「何かあった?」 「もう終わったと思っていたところの荻野先生でちょっと疲れただけ。小萩の夕食で復活する」 「そう?」 「手伝う」 「ちょうど出来たの。食べて、ナスのミートソーススパゲッティー。ニンニク入り」 「明日休みだからな」 「うん」 それからキャベツと人参とツナとオレンジのサラダ。キャベツと玉子のコンソメスープ…キャベツが残っていたから。 「荻野先生が来たの?」 「そう」 「遠山兄弟の前に?」 「そう」 ずっ…と小さく音を立ててスパゲッティーを食べた彼は 「うん、今日もうまいわ…うん、いい…これ」 とモグモグしながら誉めてくれる。よっしゃ…ルン。 「辞表の撤回と言ってきた」 「うそ…無理でしょ?」 私でも分かるよ、荻野先生…どうしたんだろう? 「後任も決まっているから、当然無理だ」
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