余命宣告から

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「そうですね。病気の進行具合はどうですか?」  涼太朗には、何でも隠さずに話してほしいと言われているので、涼太朗の前だが先生に尋ねた。 「今回レントゲンで確認しましたが、進行は思ったよりは早くはないです。早くはないですが、前回よりは体への影響を与えるくらいの進行は見られます。抗がん剤治療をしてみませんか?」  先生は、涼太朗に尋ねる。 「……。今は、明日からする作業のことで頭がいっぱいで」  果歩との日々を思い、以前のようにハッキリは拒否しない。 「先生。明日から陶芸の窯焼き作業に入るのですが、もちろん無理をしないように診ます。ただ、長時間の作業ですし、注意することはありますか?」  果歩は真剣だ。 「窯焼きのことは詳しくはないですが、薪で火を起こして長時間高温で焼くんですよね?」 「「はい」」  2人揃って返事をする。
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