余命宣告から

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 涼太朗の決断を聞いた日高夫妻も大喜びした。  みんな、涼太朗が一日でも長く生きてくれることを望んでいるのだ。  治療は一日でも早い方がいいと、すぐに日高先生から田中先生へ話しがいき、入院が決まった。  本来、果歩は家族でもないし、ましてや勤務している看護師ではないので、お見舞いしかできない所を、日高と田中の配慮で個室に家族として付添い寝泊まりできるように手配してくれた。  人見知りの涼太朗にとっても、想い合っているふたりにとっても感謝しかない。  すぐに抗がん剤治療が始まった。やはりと言うべきか、副作用による嘔吐や倦怠感の症状が現れ始めた。果歩は、ずっと涼太朗の背中をさすったり、励まし寄り添い続けた。  果歩の献身的な姿に励まされ、涼太朗も頑張ろうと思える。
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