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「斉藤も平川君と一緒にいるとよく話すな」
と土方が言うと、
「うるさいくらいですよ」
と平川は、笑顔で言った。
「近藤さんや皆、平川君が来るのを楽しみにしている。
とくに総司は、ずっとそわそわしている」
と土方は、笑いながら言い、
「沖田さんは、体調どうですか?」
と平川が聞くと、
「今のところいいみたいだ」
と答え、
「じゃあ、行こうか」
と平川の肩を叩いて言い、
「分かりました」
と平川は答え、ふりわけ荷物を肩から下げ、刀を腰にさして、汚れを落とすためにお尻をぱんぱんと叩いた。
「みんなとお会いするの楽しみだな」
と平川は言って、歩き始める。
土方は、先に歩いている平川から爽やかな風を感じ、
(ちょうど2年前の今頃だったな)
と思った。
追っていた浪士達をようやく探し出し、路地裏で斬り合いになった。
相手の浪士をようやくあと1人まで倒したが、手練の者のため率いてきた隊士は全て斬られ、土方1人になってしまった。
応援を呼んでいるが、
(とても敵わない)
と何回か刀を交えたが、応援が来るまで耐えられるか自信が無かった。
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