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そのまま首を撫であげられると、耳元へ移っていく指先に、吐息が漏れる。
「……っしつこい」
「長いのするって言ったでしょ」
「了承してない」
……って、言ってるのに、筧はまた私の唇に噛み付いてくる。
いい加減心臓がドクドクと煩いし、耳をいじっている指先が気になって仕方がない。
腰を引き寄せられ、さらに密着する体に、息が苦しくなっていく。
「はぁ……可愛いね、リア」
「……るさい」
「はは、照れてるー」
ようやく耳元にある手が離されて、その手は頭をぽんぽんと柔らかく撫でる。
今度は子供扱いされているようで、私はムスッと顔を顰めた。
腰に回された手はそのままだ。
「もう終わったならいいでしょ、会議いくわよ」
「つれないねぇ……でもいいの?」
「なにが」
頬に再び落とされた指先が目尻を撫でるから、ピクっと反射的に瞬きすると。
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