余命と頂命と余生

やり残したこと

　人は自分が産まれた意味、生きている意味や価値を生きながらに求めてしまう。だがそれは死ぬ瞬間にしか分からないのだ。だからこそ「今」を大切に生きるしかないのだ。いつ死ぬか分からないからこそ、生きる日々を尊く思えるのだ。

　そんな人の命を、人生を、他の人の都合で終わらせてしまうなど許されてはいけない。

　過去には戻れない。いくら後悔しても現実はどんどん進んでいく。取り返せないことをどうするか悩むより、これからの自分で後悔したことを後悔させるしかないのだ。過去を肯定できるように、あの時にあの選択をしたからこそ今の自分が居るんだと思える日を迎える為に、前を向いて生きていくしかないのだ。

　今がどんなに辛くとも、悲しくとも自分で自分の人生を終わらせないで。生きていれば無限大に選択肢はある。大抵のことはなんとかなる。でも死んでしまったら、何もできなくなってしまう。

　死にたくなるぐらいに心が落ちたなら、もう一層のことやれること、やりたいことやって死んだ方がいい。

　自殺をしてしまった人はきっと「死にたかった」んじゃない。「生きたくなかった」だけだと思う。生きる事に絶望して死ぬなら、最期ぐらい貴方の好きなことをしてみたらいい。どうせ死ぬんだから。死ぬ行動力があるんだから、貴方は今なんでも出来る。

　学校や仕事が辛いなら行かなきゃいい。貴方が輝けるところはそこじゃない。義務教育など辛いなら受けなくていい、高校から行きたくないなら、行かなきゃいい。中卒だって、働ける場所はたくさんあるんだ。

　恋人と別れて辛いなら、貴方はその人しか見れてなかった証拠。視野が狭まっていると思う。だから今はたくさんの人と遊んじゃえばいい。たくさんの人とこれから貴方は会える機会がある。そこまで人を愛せたんだから、きっともっと素敵な人とこの先出逢える。

　生きる希望がなく明日を迎えたくない気持ちもあるだろう。だがそんな人こそ希望を大きく考え過ぎているのではないか。何十年後の自分が想像出来ない、受験に失敗した、仕事で失敗した、だから何だ。

　何十年後を想像する必要なんてないだろう。貴方は今を生きているんだ。今日一日を元気に過ごしてやるぐらいの軽い気持ちでいればいいじゃないか。やってしまった事はもう元には戻せない。なら、これからの自分でやってしまった事を償うしかないのだ。

　最初から全て償おうとするから、大きさに耐えれず潰れてしまうのだ。少しずつでいい。少しずつ償えばいい。だって貴方が生きている限り、償える機会はたくさんあるのだから。

　受験に失敗したから何だ。受験の失敗＝人生の失敗ではない。失敗したことが将来、貴方の財産になるかもしれない。

　だが先にも言ったが、あくまで人の人生は人の人生。貴方が自分の人生の中で好きに生きてもいいが、絶対に人の人生を踏み躙ってはだめだ。

　そうしながら、好きなことをしてるといつか死のうとしてた自分が馬鹿馬鹿しく思える。生きていればなんでも出来るのだ。

　せっかくもらったその命、人生はこれから先も一生訪れない。貴方は貴方しかいないのだから。なら、好きなことして生きた方が何倍も楽しい。

　人はいつか死ぬ定めなのだ。その定めに向かって歩みは止まらない。それが人間だ。ならその定めを迎えた時に、少しでも「やり残したこと」を消していくのだ。死んだその瞬間に「あれしとけば良かった、あれしたかったな・・」と思うことを減らせるように。

　・・貴方には「やり残した」ことないですか？
　貴方がこれを読んだことも一つの運命。貴方にたくさんの幸せが訪れますように、素敵な最期を迎えれるように。後悔ない日々を。