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そして、2階の1番奥の部屋、とても日当たりの良いお部屋だ。何部屋分あるの? と思えるような広さは、30帖あると言う。ベランダからの景色を眺める。
都会だから高いビルが密集している場所もよく見えるが、近くの公園の緑も見えて、両方の良い所が共存して見える。
「凄〜い」
都会の真ん中のオアシスだと思った。
「良いなあ〜」
「なら、こっちに越して来る?」
「あ、ううん、それは良いよ」と手を横に振る。
「そう?」
「うん」
お手伝いさんや執事さんの居る暮らしは、私には無理だ。家事をしなくて良いのは、有り難いことだけど、こんな大きな家、勿体無くて私には使い熟せない。
それに、拓人と2人っきりの生活が良い。
拓人が私の腰に手を回し、一緒に景色を見る。
「マンションは、どっち?」と聞くと、
「あっち側だな」と部屋に入って、反対側の窓へ
建物がたくさんあるので、全部は見えないが上の方の階は見えていると言う。
「どこ?」
「俺の指先を見て」と言うから拓人に近づいて、拓人の指の先の方を見る。
「え? あ、あの白い建物の隣りかなあ?」
「う〜ん、もう少し横だよ」と言う。
「え? アレでしょう?」と言ってると、突然私の視界に拓人が入って来て、キスをされた。
「ふふ」思わず笑ってしまった。
「もう! 真剣に探してたのに」
私の言うことなど聞かずに、お構いなしで、何度もキスをする。
仕方がないので、私も拓人の首に手を回した。
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