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彼はそのショックを回復しようと願った。
先生(医者)はカルテに書かれていたのだろう、
相手にしてくれるどころか、絵をやめなさいと言ってきた。
彼は実直なので諦めなかったが、医者が病気をその態度で悪化させているのに、疑いもしない。
それほどに病気になって言った発言は残るので重いのだ。
先生は悪くないのだが
釈迦に説法で、卓越した精神があるものの
気づいてもらえずに背伸びをしていると捉えておられた。
愚の骨頂だが、よくあることである。
それが普通でないことに彼は気づかない。
稀有な例だったが、
憤怒に変わり
ますます、病気になっていく。
人間性を知ったとしても、引き換えに大切にしてきたものを否定される。
カルテを書いたものは、その屈辱を知らずに書いたので、まるでハズレクジを引いた扱いを散々繰り返しているようだ。
病気になってまともな判断ができなかったが
診察は結果的に間違っている診断を正す作業だった。
そして、人間は信じるに値しない世界がある事に気づき、社会の暗さに溶け込んで、強い意志の存在すら消え、悪い捻じ曲げられた現実に、心の中は、絶望感の慣れになった。
まるで診断の間違いのある医者は北風と太陽の北風のようにうやむやに彼を救おうとして、彼の背伸びを他人のせいなのに自分のせいにした。
犯罪心理に手を染めた気持ちだった。
皮肉にも彼は終始笑顔である。
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