見えない壁

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進化という言葉は彼は密かに嫌いだった。 自分がその意味を反転させると退化に値するからだ。 でも悪い言葉ではない。 そうであっても、それは進化する自分が意志として存在しない自分には無縁で その代わり、削いで無駄をなくす、退化も、人の前の進み方だと思う。 そう思わせたのは病気になって、トラウマを抱えて、学生生活を迎えたからだ。 人も自分も信じられない。 だけども自分を絵の技術以外削いでいく... まさに退化の代償であった、 絵は進化していく、そして疑念により、大切だった人との対話はおろそかになっていく。 ある日、 先生(大学)を論破して、その後の先生へのアフターケアがたまたまうまくいって、その対応を褒められて告白された。 彼は最低の人間だから、君とは釣り合わないことを告げると、彼は泣かせてしまった。 そのショックをバネにして彼女は作品づくりに打ち込んでいた。 人が中身が肝心であることを再確認したが、いま思えば正しい判断だった。彼女を不幸にしてしまうので、彼は道理を選んだということだ。 だからこそ彼は自分を許せなかった、 彼は彼女が気になっていたからだ。 この恋に続きはない
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