通り過ぎる

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そこで大々的な調査が行われた。いつまでもロケットをこのまま置いておく訳にもいかず、撤去せねばならないのと、損傷した箇所の修復も必要だからだ。 だが、そのロケットはどれだけ解析を試みても、何で構成されているかが不明であった。 つまり未知の物質でできているということである。 不用意に触れると爆発をして、ロケットが突っ込んで来た時以上の惨事になる恐れがあるので、特殊部隊を派遣して、これを取り除くことにしたのだ。 まずは、ロケットを外に出そうとした。 しかし、いかなる重機でも、そのロケットをどかすことはついにはできなかった。 どれだけ持ち上げようと苦心したとて、重すぎて持ち上がらないどころか、そもそも動かすことすら叶わないのだ。そしてその間にも、ロケットをつたって、〈侵入者ども〉がわらわら群がり邪魔をしてくる。 本来の目的である、ロケットを排除することから段々遠ざかっていることを憂慮し、ロケットの解体案も持ち上がった。 しかし、いかなる重機でも、堅牢なそのロケットを解体することはついにはできなかった。 削ろうとしても、そもそも硬度が違いすぎるようで、傷すらつけることができず、解体も失敗に終わった。そして〈侵入者ども〉はその足を止めることなく、特殊部隊は昼夜問わず戦闘態勢にならざるを得なくなった。時々ロケットが動いているのも、〈侵入者ども〉が入ってくる原因を作っているに違いない。
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