通り過ぎる

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その状態が5日程続き、特殊部隊にも多数犠牲者が出てしまう事態となった。〈侵入者ども〉はロケットから来るわけではなく、外部からロケットの壁からズカズカと我が物顔で蹂躙してくるから非常に厄介なのだ。 そして〈侵入者ども〉と相討ちになった犠牲者があまりにも多く、その死体がうず高く積もり、こちらも取り除くのに時間を要したことも、厄介さに拍車をかけていた。 これを重く見た対策本部は、直ちにロケットを壁と同じ物質で覆うことを決め、特殊部隊が戦闘をしている間、ロケットを覆う工事が行われることとなる。 壁を作るのには1ヶ月ほど掛かったが、しっかりと効果は発揮された。 ロケットを薄くでも覆う事で、〈侵入者ども〉はそれに阻まれ、国民を脅かすことがなくなり、元の平和な生活が戻ったのだ。 ロケットを覆う壁も少しずつ分厚くしていく方針も固まり、新たな道も作られることとなった。少しだけ迂回する形になったものの、大して不便でもなく、国民はその壁があることにも少しずつ慣れつつある。
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