18.星の声

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 そんななか、異変を察知したらしい護衛たちが武器を携えて広間へと駆けつけて来た。そして、血まみれで倒れているトガミやその周りを囲んでいる暗殺者たちの姿を確認するやいなや表情を変え、一斉に彼らを捕縛する。予想外の出来事に戸惑うだけだった暗殺者たちは抵抗する隙すら与えられず、皆すぐにその場で取り押さえられた。 「ああ……雇い主である僕が言うのもなんですが、彼らはこのまま投獄したほうがいいですよ。暗殺だけでなく、強盗やら詐欺やらの主犯格が揃ってますからねえ」 「トガミ……おまえは、そんな奴らの手を借りてまで……」 「はは、死に際にお説教は勘弁してください。いいじゃないですか、こうしていっぺんに捕まえられたんですから。ふふ……っ、僕も、少しはこの国のお役に立てたといいんですが」  そう言って目を細めるトガミを、リオンは悲痛な表情で見下ろしている。  限界が近づいているのか、トガミの息はだんだんと短くなり、耳を寄せないと聞こえないほど声もか細くなってきている。彼の最期が近づいていることは、誰の目にも明白だった。 「……トガミ。理由はどうあれ、おまえはこの国のためにずっと働いてくれた男だ。最後に、言い残すことはないか?」 「っ、ふふ、まだ何か、喋らせるおつもりで……? 僕の言いたいことは、すべて話しましたよ……あとは、天文台に遺した手帳でも見てください。僕の犯してきた罪を暴くうえで、必要になるでしょうから」  リオンがその大きな手で、血の気を失ったトガミの手を力強く握る。しかし、トガミにはもうそれを握り返す力は無いのか、ただ薄く微笑むのみだった。   「リオン、殿下……あなたは、素直すぎるところが、少々心配ですが……まあ、大丈夫でしょう。あなたの傍には、ルカ殿下や……ミーア様のような、疑り深い人たちがいますから、ね……」
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