科学探偵アイザック

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「ポーン、まもなく月面に到着いたします。お疲れ様でした。お降りの際は誘導員の指示に従ってください」  しばらく眠っていたのかな? 到着の案内で目が覚めた。  窓を覗くと、クレーターがたくさんある灰色の地面が見えてきた。  本当に月まで来たんだろうけど、まだ実感は湧いていなかった。  ドドドと振動がして、しばらくするとシートベルトが自動で外れた。月面に着陸したようだ。  宇宙服を着た誘導員の人の合図で、僕たちもゆっくりと外に出ることにした。  外に出ると、真っ暗な空の下に大きな建物がたくさん並んでいるのが見えた。  空を見上げると地球がポツンとあって、その横に小さな青い玉子がくっついているのが見えた。  もう僕たちの国を覆い隠すくらいの大きさにはなっていた。  建物に入るとドアが無数に並んでいて、ドアを開けて中に入ってみると、ベッドがいくつか置いてあるだけの白い部屋だった。  天井には天窓があって、そこから眺めると、たくさんのロケットがこっちに向かってくるのがわかった。  次の日になると、といっても朝も夜もよくわからないから、時計の日付だけ見ているけど、もうだいぶ慣れてきていた。  やることもないし暇だったので、新聞の続きをまた書き始めることにした。  ペンは支給してくれたので、これまであったことを写真とセットで書いてみた。のりがなかったから写真はテープで止めた。  ふと天窓を眺めてみると、玉子はまた大きくなっていた。そのかわり、地球が少し小さくなっているように見えた。  僕はこの景色を観察して、細かい変化を図にすることにした。
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