いつかその日まで

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「うわぁっ」 ぐいっ、と右腕を引っ張られた。 「え…どうしたの!?」 「はぁっ…はぁっ…はぁつ……。」 そこには、息を切らした君(と大量の荷物)が立っていた。 「ちょっと、もう列並んでなきゃでしょ、間に合わないよ?」 「いつも僕のことを最優先にして、ちゃんと心配してくれるところが好き。」 せっかく吹っ切ろうとしてたのにこんなことを言ってくるなんてずるいよ。こういうところが、たまらなく好きなんだけれど。 というか、問題は目に溜まった涙を見られてしまったことだ。 顔を見られたくない私は、床を見つめていた。 必死になってこらえていたつもりだけれど、数滴ほど床に落ちていってしまった。
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