あとがき

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あとがき

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。  あとがきです。  あとがきでは、本作が出来上がるまでの裏事情なんかを中心に、書いていきたいと思います(笑)  ◆◆◆◆◆  まず、本作『葛南いろどりガール』を書いてる最中に、ワタクシが一番思っていたこと。  それは、  『風呂敷を広げ過ぎてるんじゃない?』  のんべんだらりとしたワタクシの作風からすると、本作は展開が目まぐるしく変わり過ぎるのです。  いちばん「風呂敷を広げ過ぎた!」と思ったのが第20章『夜宴<アフターファイブ>』。  矢ヶ崎が伊万里のことを「眼中にない」宣言をしたところです。  矢ヶ崎 談 「僕にとって、彼女は『娘の替わり』です。僕が彼女に特別な感情を抱くとしたら、ただそれだけ。考えてもみてください。彼女は17才、僕は39才。どう考えても、親子でしかないでしょう?」  どうです。堂々とした宣言です。  ・・・いやぁ、困った。  矢ヶ崎がこんな、重大な『決意』をして、どうやったら元に戻せるのでしょう???  いや、でも。まぁ・・・  この後の展開は、正直もう「なんとかなるや!」でした(笑)  ・・・というのは少し言い過ぎで、実のところ本作を書き始める前から、作者として『大枠の筋道』というのは作ってありました。  ですがワタクシの場合、その『事前の筋道』は、登場人物によって否定されることがよくあるのです。  ワタクシが登場人物に「次はこういう展開になるから、こんなふうに行動してね」と指示したとしても、彼らは「そんなことできませんよ。だっておかしいじゃないですか。もう、こうしちゃいますからね」と、勝手に別の方向へと話を進めてしまうことが、よくあるのです。  だからこの後の矢ヶ崎が、伊万里が、朝霧が、ワタクシの思惑どおりに演じてくれる保証がありません。  ということでワタクシは、彼ら登場人物の考えを尊重せざるを得ず、その場の流れに身を任せてお話を書き進めます。  そうしているうちに、第31章『戦力外通告』でのことです。  伊万里が、矢ヶ崎との復縁を目指すことを拒んで「私は、朝霧さんとうまく、やっていこうと思っていたのに」と言い切りました。  あ、そうなんだ。  伊万里、そーゆーこと言うんだ。  これは正直、ワタクシとしては意外で、 「(先ほどの)広げた風呂敷を畳むには、こっちの方がすんなり収まるな」とさえ思いました。  なんだかんだ言って、朝霧と伊万里は相性がいい。  朝霧と伊万里の掛け合いは、スラスラと筆が進むのです。仲の良い証拠です。  今でもこっちの方が、よりハッピーエンドになっていたのではないか?という気もします。  読者のみなさまも、こちらのハピエンを期待した方もいらっしゃったかもしれません。  でも、違う終わり方になってしまいました(笑)  このあたりの話は、投稿サイトの公開日で言うと2023年10月の初め頃だったと思います。  原稿の方は既に、8月には書き終わっていて、サイトにもUPして、公開予約までしていました。  ここで先ほどの第31章『戦力外通告』  『伊万里は矢ヶ崎を選ぶのか、それとも朝霧にするのか』問題について、  読者さまから感想をいただきます。  『伊万里は、どっちなのだろうか?』  その問いに回答するため、ワタクシはあらためて伊万里の気持ちを類推しました。  伊万里本人に聞いたって、自分では答えが出せなかったので、類推するしかないのです。  伊万里は、どうしたかったのか?  そうして思い当たる節があり、  もしそうだとすると、今まで書いていた最終話では『伊万里の気持ち』が表現しきれていないことに気がつきます。  10月12日(木)早朝のことです。  最終話の公開予定日が10月13日(金)と迫る中、ワタクシは最終話に手を加えることを決意します。  そして、ちょうどタイミング悪く、10月13日(金)~15日(日)は神戸出張で休日出勤。  ええ、やりましたとも。  ワタクシはカバンに個人パソコン(寸法:W364×D254mm)を忍ばせ、  行きの新幹線の中で最終話を書き直します。  そして10月14日(土)神戸の宿泊先で、仕事が終わった後、原稿をチェックしてサイトにUP。  10月15日(日)帰りの新幹線では、あとがきも書き直します。  こうして先ほど読んでいただいたような、最終話に仕上がったのです。  なんか、  これは自分では劇的だったので(タイミング的に)、あとがきに書いておこうと思いました(笑) ----- あとがきは、まだまだ続きます(笑)
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