あとがき

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 つづきです。  さて、話は変わって本作の時系列的な経緯を、少し洗い出してみようと思います。  こういう時系列は、後になると分からなくなってしまうので、自分用の覚え書きという意味合いもあります(笑)  本作は2022年10月『こがねの駒 ~江戸時代編~』が終了(執筆を終えたのは8月)した後に、構想を練り始めました。  2022年9~10月あたりは、NetflixやAmazon Primeに登録して、いろんな映画を見まくってエネルギーチャージしました。  朝ドラの『舞い上がれ』を見たり、韓国ドラマ『愛の不時着』を見たりして、次回作の構想を練ります。  たとえば『愛の不時着』で、主人公のセリが帰国前に行く『河原でのピクニック』や『中隊長の庭での飲み会』のシーンがあるのですが、それは本作で言うとBBQ大会にあたります。  あとケイさんは、本木雅弘さん主演の映画『おくりびと』で出て来た、葬儀屋のスタッフ余貴美子さんがモデルです。  そうして構想が練られてきて、2022年11月3日には『いちかわ市民祭り』へ取材ロケハンに出かけた記録があります。  このときワタクシは、愛馬VTR250Fを駆ってロケハンに行ったのですが、市川付近の大通りで信号待ちをしていたときのことです。  目の前の横断歩道を、着物の女性が小走りで渡っていて、途中で何か落としたようなのです。おそらく羽根飾り?  申し訳ないですけど、こちらは車道で信号を待っていたので、その羽根飾りは拾ってあげられませんでした。  ですので、本作の第7章『陰徳あれば陽報あり』で、朝霧さんに拾ってもらうことにしたのです。せめてもの、ワタクシの罪ほろぼしとして(汗)  そうして本作を書き始めてから、1ヶ月くらい経った頃ですか、  2022年の年末は、第6章のオグレンジャーショーの辺りを書いていました。  このあたりは「起」「承」「転」「結」で言うと、「承」のパートくらいじゃないですか。  ストーリーもあんまり盛り上がらない部分で「ほんとうにこの話を書いて、面白いのか?」と自分自身で疑問に思っていた時期でした。  次第に、なんだか書き進めるモチベーションが上がらなくなってきました。 「このままでは、まずい!」  そう思っていたところ、小説投稿サイトでお正月イベント『冬のお題マラソン』という企画があることに気付きます。  毎週出題される『お題』に沿った、5,000文字以内の短編小説を書く、という企画です。  ワタクシは、自らのモチベーションを上げるため、短編小説を書いて気分転換しようと思い立ちます。  『小説を書く楽しさ』を、再び思い出すために。  そこで書き上げたのが『わたしと彼の は・つ・も・う・で』と『君と もみじ鍋が食べたい』の2作品。  ネタさえできれば、短編を執筆するのはとても楽しい経験でした。  特に『わたしと彼の は・つ・も・う・で』は、自分の中での出来栄え評価として、これ以上ないくらい良くできた作品に仕上がったと思い、自己満足してます(笑)  この短編2作品のおかげで『小説を書く楽しさ』を思い出させてくれて、以後の第8章『クリスマスのご予定は?』へと、つなげることができました。  お話が『クリスマス』に突入すると、その後は『大みそかの告白』、『日本橋デート』、『矢ヶ崎デザイン事務所危機一髪』、『もんじゃの慰労会・2次会』、『歯医者』、『バレンタイン』と、物語が大きく展開していきます。  無事、モチベーションを維持しながら、最後まで書ききることができました(笑)  ところでこの『歯医者』のエピソード。  これ私です。  奥歯が痛くなって「歯医者行くのやだなー」と歯医者さんの前で佇んでいたとき、 「あ、このエピソード使おう」と思い立ちました(汗)  あ、でも!  伊万里に付き添ってもらわなくても、ワタクシは自分で歯医者の予約は取れましたけどね!  こうして2023年5月のGWで本作をひととおり書き上げ、サイト上に公開をはじめたのでした。  公開後はもう一度最初から読み直して、修正して、そしてUP。  最終話をサイトにUPしたのが2023年8月。  そうして先ほどの『最終話 書き直し』のくだりへと、話が続くという訳です(笑)  ◆◆◆◆◆  そういえば今回は『いちかわ市民祭り』以外にも、色々とロケハンに行きました。  作中にイメージ写真が載せてあるところは、だいたい行ったところです。  変わったロケハンとしては、スカイツリーですかね。  朝霧が伊万里に「バイト、辞めたらどうだ?」と切り出したところです。  この場面は短いので、元々ロケハンに行くつもりがなく、ソラマチのホームページを見て執筆していました。  ところが仕事で、たまたま『すみだ水族館』へ行く用事があったのです。ほんとに偶然で。  『すみだ水族館』へ行ってみたらビックリ、なんとそこはソラマチ4F。ちょうど作中で、伊万里がソフトクリームをなめていた場所でした。 「えー!作中で書いたような配置になってない!」  慌てて写真をバチバチ撮りまくり、家へ帰って原稿を修正しました(汗)  ソラマチ4F周辺で、ソフトクリームを売っている店はマクドナルドのみ。  ということで、伊万里の舐めていたソフトクリームは、マクドナルドで買ったものだとワタクシも後になって知りました(笑)  ロケハンと小説執筆は、セットになると楽しいです。  これが『現代モノ』の小説を書いているときの醍醐味ですかね(笑)  ◆◆◆◆◆  ずいぶん長々とあとがきを書いてしまいました。  次回作は、今のところ『イタコの話』を予定しております。  イタコって、かなり廃れて来ている風習なので、ネットで調べても関連情報がなかなか出て来ないんですよ。  そんなこんなで、設定づくり用の資料集めに四苦八苦していました。  ところが、さすが『チャットGPT』先生。  チョット聞いてみただけで、湯水のように色々とイタコのことについて教えてくれました(笑)  小説書きにとっては、ものすごい強力な情報収集ツールです、『チャットGPT』。  ではでは。  次はいつ頃、公開できるのか分かりませんが、  気がついた頃に公開していたら、またお会いできたら幸いです。  読んでいただいたみなさまに、感謝を込めて。      ――― See you again ―――  -----  本作の番外編として『まぜまぜごはん』という短編集の中に、『好きになっちゃ いけない』と『2.29倍から始まった物語』という2つの短編があります。  もしお時間に余裕があるようでしたら、そちらもどうぞ(笑)
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