救命救急センターの当直は過酷

2/2
前へ
/37ページ
次へ
急性心筋梗塞はつまっている血管に対し、いかに早く冠動脈カテーテル治療(PCI)を行い、再開通させるかが重要。 病院へ到着(door)し、急性心筋梗塞と診断すると、緊急心臓カテーテル検査のため、点滴、術前の内服、尿の管の挿入やカテーテル室の準備を行う。 病院到着から血流再開までの時間は一般的に90分以内というのが目安となっていて、時間との勝負。 日本人の死因の第2位にランクされている心筋梗塞。 循環器領域に専門特化した大病院、葛城病院が救命救急センターとして新宿に開設したこの病院には、毎日100人以上の患者が救急搬送され、容態が安定後、立川市にある大病院に移送される。 「……今日も帰れなかった。今日は外来診療当番医の日なのに」 葛城クリニックの救命救急センターのシフトは3交代制 8~16時、16~24時、0〜8時で、準夜勤の時間帯に入っていたのに、急遽搬送の患者さんが多過ぎて、抜けれたのが6時半と、大病院に移動する時間になり、げんなりする。 立川駅から新宿駅までは中央線で約25分。 「お先に失礼します!!」 14時間、ひっきりなしで62人の患者さんに治療を行ったから、疲労困憊でぶっ倒れそう。 葛城救命救急センターから飛び出し、立川駅へ急いだ。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

472人が本棚に入れています
本棚に追加