星の塔台

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 少女の言葉遣いは「こんな所」で暮らしているわりには、きちんとしている。……だが、先ほどから気になるのは、話し方自体のたどたどしさだ。まるで、話すことに慣れていないような、長いこと会話をしていなかったような。 「ここに、君以外の人はいるのか」  質問に質問で返されて、少女は驚いたようだった。目を見張り、少し困惑を浮かべたが、速い瞬きを繰り返し深呼吸を一度してから、答える。 「いい、え。わたしだけ、です。父、がいましたが亡く、なりました。三ね、ん前に」  少女の表情は、まるでつい数日前に父親が亡くなったような、悲しみに染まっていた。父親が居なくなってからの三年間、ずっと一人きりなのか。こんな寂しい塔に。  その思いは、押し寄せてきた不安にいったん流された。追っ手は。 「──誰か、私を捜しに来た者は、いるだろうか」 「いませ、ん。四日間、貴方の他に、は誰も」 「四日!?」  予期せぬ答えに、思わず跳ね起きる。途端に足が、膝が痛んだ。頭もふらふらする。 「だ、めですよ。今までずっ、と寝てたんです、から。食事と薬、を持って来、ますね」
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