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高校入学してすぐ、クラスメイトとして出会った2人は何故か私を好きだと言ってくれる。
嬉しい。……本当なら。
「じゃ、メイ、ルーズソックスのプレゼンしてよ。私が納得するような」
「ええー無理じゃん、チル納得させるのシナンの技なんだけどお」
メイちゃんは泣き事をこぼしつつミチルちゃんの座っている方に、体ごと向けて抱っこを求めるように手を伸ばした。
その手を軽く握り返しながら「出来る出来る」とミチルちゃんが明るく励ましている。
「んーと、ルーズソックスはあ今……キテル! あとお……あ! 普段着にも使えるし!」
大きな動きでしどろもどろになりながらも、ちゃんとしたプレゼン? で、私も確かに私服でも着れるしなあ、と思い。
ミチルちゃんはどう思ったかな? と見た。
目を閉じて頷いて聞いていた。
「そうね、流行っているのは認めるけど、……もう一押しかな?」と、パチッと涼しい目を開けて話した。
「……このクラスでもルーソが増えてきてるじゃあん! 人気なんだよ」
顔の横で得意げに人差し指を立てている。
「ううん。確かに……」と腕を組んで考え込んでいる。私もルーソを履いている子を思い出し納得する。
「秋ごろから増えてきたわね。夏はクラスで2、3人くらいだったのに今は、10人くらいね」
「でしょ! でしょ!」
メイちゃんは両手を合わせて、座りながら身体を左右に動かした。
そのたびにクルンクルンと巻き髪がはねている。
可愛いしぐさに、私は見てて内心ほっこりしていた。
「でも! それでも、3割くらいだわ。その点、紺ハイソックスは5割よ!」
具体的な数字を出されてメイちゃんは今度こそ鼻を赤くして涙目になっている。がんばれ、メイちゃん。
「ええー、えっと……あ、じゃあいっそ、履かない! とか?」
は、履かない? それは流石に寒いと言いかけた時、ミチルちゃんが悲鳴のような奇声をあげて立ち上がる。
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