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ぽたりと一粒の涙が苗に降り落ちた。涙は葉に落ちるが、粒になることなく吸収された。 その瞬間、苗が突然成長し始めた。 苗はすくすくと育ち、私の目元と同じくらいの高さになった。しかしまだ、苗は成長を止めない。 茎がどんどん分かれて葉も育ちだす。あっという間に私を囲うほど大きくなった苗は、もう苗と呼べるものではなかった。 ポンッという音と共に、私の目の前で花が咲いた。それは見たこともない、金色に輝く花だった。それが合図だというように、続けてポンポンと大量に花が咲く。 私は目を見開く他なかった。 苗をリッカの机の上に置いた私は、花へと手を伸ばす。金色の美しい花びらを一枚ちぎると、不思議と自然に口元に運んだ。 なんだろう、何か甘い‥ような。 花を食べたことがなかった私は首を傾げる。 しかし、そう深く考える間もなく眠気が急に襲ってきた。 「アンネ!?何かあったのか!!」 デジャヴとでもいうのだろうか。朝と同じようにリッカが部屋に飛び込んでくる。 あぁ、でもごめんなさい。とても眠いわ‥。 絶望した顔のリッカの顔が視界の端に映った気がした。
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