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◯月◇日 昨日続きを書くことを忘れていた。なんと‼︎彼女は俺のプロポーズを受け入れてくれた。 幸せだ。俺は生きてていいのか? アンネを幸せにするために絶対に宮廷錬金術師になるぞ。 結婚式は来年取り掛かる予定。楽しみだ。 ⋯ 彼が書いたのだろうとは思うが、同一人物とは思えない明るさで驚く。あの仏頂面の人がこんなことを‥? でも、アンネ、と私の名前が書いてある。それは目に見えてわかる事実だ。 パラパラとページを捲ると、アンネとこれをしたあれをした、と私のことしか書いていなかった。 私は結婚式の日まで飛ばそうと二冊目の日記帳を手にとる。 ⋯ ◇月△日 いよいよ、明日が結婚式。 準備も完了した。明日はやっとアンネのドレス姿が見れる。一生記憶に残るだろうな。 ⋯ ◇月◯日 幸せすぎて日記を書き忘れるところだった。アンネはとても綺麗だった。 俺もアンネも両親がいないし、知り合いも少ないから盛大にはできなかったことが心残りかもしれない。 だが、アンネが幸せと微笑んでくれただけで今日まで生きていてよかったと思えた。 俺はずっとアンネに笑顔でいてほしい。 ⋯ ◇月▲日 今日、宮から呼び出しがあった。俺が宮廷の錬金術師になれるらしい。 やっと、努力が実った。続けてこんな幸せがあっていいのか? 早くアンネに報告したい。だが、それも試験が合格してからだ。依頼を遂行できたら、すぐにアンネに伝えよう。 メモ 黒いチューリップのクッキーを焼く ⋯ リッカが錬金術師になったのは、結婚して次の日だったらしい。この時点ではまだなっていないようだが、その試験とやらに合格したから今は宮廷の錬金術師になっているのだろう。 アンネは日記を読みながら思い出そうとするが、全く思い出せない。 この時のリッカは幸せそうに思った。その分、私が彼を覚えていないことが苦しい。一瞬だけ見てしまった苦しそうな顔は、この日記の中の彼とは正反対のようだった。
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