episodes3 剣夜の館

1/2
前へ
/5ページ
次へ

episodes3 剣夜の館

【お詫び】 第二話を別に書いてしまいました。 読むには“麗華らむね”と作家検索してください。 サムネはこれです399a8853-1bb5-424f-bafa-b0d19d60a9d3 気を取り直して第3話行きます! episodes3 夢乃の羽ばたき 私たちはhigh jump!の不合格者の集まりだ。 現実は見たくないけれど仕方ない。 渋谷駅前のカフェで今初めて顔を見た。 「じゃ、じゃぁ自己紹介…しよっか?」 焦り気味に緋色が提案する。みんな暗黙の了解だ。 「まずは言い出しっぺの私から…、湯森緋色!知ってると思うけどね。 今日は来てくれてありがとう!」 続いて髪を三つ編み一本にアレンジした女の子が自己紹介をし始めた。 「私は、櫻木夢乃(さくらぎゆめの)。吹奏楽でフルートやってました。」 次に声を出したのは金髪の女の子だ。 「私は夏ヶ崎エマ(なつがさきえま)!パパはイギリス人、ママは日本人や! ちなみにこの関西弁はおじいちゃん譲りや!よろしくな。」 思ったよりも気が合いそうな感じがする。 そしてはずがしながらも小さく声を出してくれたのは、ハーフアップおだんごをしている身長低めな子。 「え、あ、えと、金城紅葉(かなしろもみじ)です。」 次は大人っぽい雰囲気の女の子だ。 「初めまして。私は剣夜瑠奈(つるぎやるな)です。よろしくね、みんな。」 ドキドキするセクシーボイスは女性もきっと惚れるだろう。 そして私の番。「駒賀なこです。よろしくお願いします。」 それぞれが頼んだドリンクがテーブルの上に置かれたので本題に入った。 もちろん話を仕切るのは緋色だ。 「では、まず楽器を決めようと思います!」 張り切った表情で話を進める緋色はかわいい。 「えっと、私はフルートやってたんでそれでもいいですか?」 夢乃の立候補は話を進めるためのレバーが動いた様に安心する要因の一つとなった。 「じゃぁ、私はドラムやるよ!こう見えても私、ドラム習ってたんやで。」 エマが関西弁を混じらせた口調で明るく言った。 そして話し合いは進み、緋色がベース、夢乃がフルート、エマがドラム、紅葉がサブボーカル、瑠奈がサブボーカル、ピアノ、グラスハープ、時によってメインボーカル、そして私は、思っても見なかったメインボーカル。断ったのにみんなの波に押されてしまった。 「というか…気になってたんですけど、瑠奈さんそんなに担当して大丈夫ですか?」 瑠奈はしばらく黙ってから答えた。 「全然大丈夫よ。あ、今日私の家に泊まって行かない?練習も兼ねてどうかしら?」 「「「「賛成」」」」 まるで本心を隠すように話題を静かに変えた…。 本心を隠さないで…。情熱の熱さを知りたいの!!
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加