夢見の鏡

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気がつくと、俺はいつのまにか眠っていて、かやのは姿を消していた。 額に貼られたお札も布団の上に落ちていたが、熱は少し下がっているように感じる。 夕食はモリモリとたくさん食べ、再び布団に転がった。スマホで、(のろ)いのことを調べてみるが、村自体がよく分からないし、どんな(のろ)いをかけられたのかもわからない。かやのに少し聞いておけば良かったかな… 「はぁ」とため息をつくと、調べるのを諦める。 そのあと、薬のせいで眠くなって寝てしまった。 眠りに落ちながら、.直接村に行ってみるのも良しかもしれないと何気に思った。 次の日の朝。 窓から見る外は、どんよりと重く灰色の雲が低く広がっている。 今にも雨が降りそうな空に村の景色が余計に気味悪く見えた。 一応鏡をカバンにいれ、肩からかける。 そして、家から出ようとした時だった。 「弓弦、どこへ行くの?まだ熱があるんじゃないの?だめよ、きちんと回復してからじゃないと。それに、あの村の人達がどこから見てるかわからないのよ?」 今、その村に行こうとしているんだ、なんて言ったら反対されるに決まっている。 「いや、体は大丈夫。空気を吸いにちょっと散歩だけさ」 「すぐに帰りなさいよ!大体あんたはいつも、なおりかけに…」 いつもより煩い母さんから、なんとか逃げて、足早に出発する。
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