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でも……その前にどうやって彼女を助けるかだ。
まだからだの傷が完全じゃないから、今焦る事はやめた方がいい。かと言って田舎にいるのももう少し、早く南京錠の番号を知りたいところだ。
あと、かやのがどのくらい早く走れるかとか……
「そうだ爺ちゃん」
「え?」
「爺ちゃんが小さい頃にかやのの村に入ったことがあるんだよ。なにか、わかるかも知れない。明日聞いてみるよ」
「なにか、わかるといいんだけど。私は神にする、と言われながら何も教えて貰えないから。絶対に真っ当な神様とは思えないけど」
俺は頷く。
「村に入った時思ったよ。
ここだけ時間がおかしくなってる気がするって。
でも、かやのを助けたい。怖くても頑張るさ」
「ありがとう結弦。私、わたしも鍵の件調べてみるわ」
2人で微笑み合う。
かやのが実態ならいいのに…….
「結弦も私が見えるってことは、多少、ううん、霊感があるってことよ」
「えっ、今まで霊なんかみたことないぞ。襲ってきた化け物も母さんも見てたし」
「お母さんも霊感があるのかも知れない。見えなかったら、そのまま取り憑かれてたかも知れないわ」
「……こわ……」
かやのはいいとして、化け物はちょっと見たくなかったな。
あんなグロいもの。
でも、見えてたからこそ助かったってほんと良かった。
「結弦…頑張って助けに来てね。でも、でも、村人には気をつけて」
「もちろんだよ、本物のかやのにも会いたいし。でも、助かったとして行く当てはあるのかい?」
「……ないわ。どこか探さないと」
「しばらくうちにいたらいいさ。事情が分かったら、うちの家族もいいっていうに決まってる」
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