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嫌い
僕は平日の16時辺りの空気が嫌いだ。
皆さんご存知であろう、時間によって空気が変わるこの世界。
朝の空気は美味しいし、夜の空気はしんみりしていて少し不気味だが気分を上げてくれる。
まぁ、美味しいかどうかは僕個人の意見だが。
そして昼が終わり日が沈むか沈まないか、
日が傾き始めてちょっとオレンジ?くらいの16時。
僕はこの空気を吸うと、
昔学校に行っていた頃の記憶が鮮明に思い出される。
無視されたことも、変なあだ名が付いたことも、
部活を頑張ったことも、友人と話したことも、
部活終わりでくたくたな下校の感じも、
朝早くスッキリした登校の感じも、
すべて僕の頭の中に浮かんでくる。
そしたら僕は
なんで僕学校行ってないんだろうとか、
僕は悪い子だとか、
みんな頑張ってるのに僕は...とか、
自分を責め立てるのだ。
それだけで吐き気がした。
いつか、こんな記憶も忘れるくらい
楽しい日々僕を迎えてくれるのだろうか。
それとも僕を迎えるのは薄暗い部屋なのか。
今はどっちでもいい。
自分が元気になればそれでいい。
何回こうして現実から目を背けただろうか。
その時間は戻らない。
だから僕は、今日を生きる。
あの時間だけは窓を閉ざしてでも。
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