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序章・夢
トランス・ブルー・ラブ
その愛は、夜の闇のように深い。
そして闇の色を超え、黎明のブルーに変わる。
<序章・夢>
そこは、暗闇が迫る森の中。
俺は娘の手を握って、前をひたすらむいてさっさと歩く。
何かの追手から逃げるように、焦っていた。
「あそこがいい」
俺はそう言って、指さしたのは大木で、低い場所で二股に分かれている部分がある。
俺は先に木に登り、娘に手を差し伸べた。
娘の手は小さく、雪あかりのように白い。
「きゃっぁ・・」
娘が滑り落ちそうになって、俺の上着をつかみ小さな声を上げた時、
俺の手が娘の頭を支え、顔を寄せて唇に触れた。
その唇は、柔らかく芽吹く若葉のようで・・・頼りなげで震える。
舌を絡めると、娘の小さな吐息が漏れ声はかすれていた。
「これは・・事故」
え・・事故って・・何だ?
むむ・・・・
チェイサーは目を開けた。
見えたのは安宿の天井、もう一度目を閉じた。
あれは、夢か・・
あの娘は誰だ?
暗闇で顔がわからない。
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